ゲーム実況の始め方。必要機材と最初の設定を最短ルートで解説【2026年】
ゲーム実況は参入者が多い一方、機材と設定の情報が複雑で挫折しやすいジャンルです。この記事では「まず1本投稿する」までの最短ルートをまとめます。
実況スタイルを先に決める
当サイトの登録者ランキングでもゲーム実況系チャンネルは常連ですが、スタイルは大きく2つに分かれます。①録画して編集する「動画型」、②リアルタイムで配信する「ライブ型」。初心者は失敗を編集で消せる動画型からがおすすめです。必要な機材も少なく済みます。
当サイトのゲーム実況ランキング上位を、実際に見て数えてみた
これからゲーム実況を始めるにあたり、「編集動画を中心に作るべきか、生配信(ライブ)を中心にすべきか」を判断するため、当サイトのゲーム実況ランキングを調査しました。
- 調査日時:2026年8月27日集計データ
- 調査対象:当サイトのゲーム実況ランキング(ranking/game.html)上位30チャンネル(母数:30)
- 分類方法:直近1ヶ月の公開コンテンツを目視確認し、「編集動画型(カットやテロップが入った10〜25分程度の動画がメイン)」「ライブ配信型(数時間の生配信アーカイブがメイン)」「混在型」の3つに分類。併せて顔出しの有無と動画タイトルの傾向も集計しました。
集計結果
- ライブ配信型:14チャンネル(約47%)
- 編集動画型:11チャンネル(約37%)
- 混在型:5チャンネル(約16%)
- 顔出しの有無:実写顔出しあり 12チャンネル(40%)、アバター(VTuber)または声のみ 18チャンネル(60%)
上位の傾向として、すでに数万人以上の登録者を持つチャンネルは「ライブ配信型」が約半数を占めていました。しかし、タイトルの付け方を分析すると、編集動画型は「◯◯を検証」「初心者向け攻略法」など検索やおすすめから新規流入を獲得しやすいタイトルであるのに対し、ライブ型は「深夜の雑談プレイ」「視聴者参加型」など既存ファン向けのタイトルが大半でした。
これから新規でゲーム実況を始める場合は、ファンがいない初期段階で生配信を行っても人が集まりにくいため、まずは「10分前後の見どころを凝縮した編集動画(攻略や検証)」で新規視聴者を獲得し、登録者が増えてからライブ配信を取り入れる手順が最も合理的です。
プラットフォーム別・必要機材
PCゲームの場合:ゲームが動くPCがあれば、録画は無料のOBS Studioで完結します。追加投資はマイクだけでOK。Switch・PS5など家庭用ゲーム機の場合:ゲーム機の映像をPCに取り込む「キャプチャーボード」が必須です。パススルー機能(遅延なしでテレビに映しながら録画できる)付きのモデルを選ぶのが失敗しないコツです。スマホゲームの場合:iPhoneなら標準の画面収録、より本格的にやるならPCへのミラーリングを使います。
上の条件で各ストアを検索すると、現行モデルを比較できます。当サイトでは特定の製品を推奨していません。
パススルー機能と接続手順
Nintendo SwitchやPlayStationなどの据え置きゲーム機の実況を行う場合、キャプチャーボードの選定と接続構成が極めて重要です。
パススルー機能が必要な理由
キャプチャーボードを経由してPCの画面(OBSなどのプレビュー画面)に表示されるゲーム映像には、数十ミリ秒〜数百ミリ秒の「表示遅延」が必ず発生します。パススルー機能が付いていないモデルの場合、この遅延したPC画面を見ながら操作することになるため、タイミングが重要なアクションゲームやFPS、対戦格闘ゲームはまともにプレイできなくなります。
接続の順番
- ゲーム機のHDMI出力端子から、キャプチャーボードの「HDMI IN」端子へHDMIケーブルを接続します。
- キャプチャーボードの「USB端子」から、PCのUSB端子へ付属ケーブルで接続します(映像をPCに取り込む経路)。
- キャプチャーボードの「HDMI OUT(パススルー出力端子)」から、プレイ用のモニターやテレビのHDMI入力へ接続します(遅延のない映像を表示する経路)。
PC端子規格の事前確認手順
キャプチャーボードの多くは「USB 3.0 / 3.2 Gen1以上」の高速通信ポートを要求します。手持ちのPCの青いUSB端子やType-C端子が要求スペックを満たしているか、購入前に取扱説明書やPCメーカーの仕様表で確認してください。USB 2.0端子に接続すると、認識しないか激しいフレーム落ちの原因になります。
音声が9割。マイク設定の基本
ゲーム実況の視聴体験を決めるのは、ゲーム画面より「声とゲーム音のバランス」です。ゲーム音を少し下げ(全体の3〜4割)、声がはっきり前に出る設定にしましょう。長時間プレイするならヘッドセット、音質を上げたいなら単一指向性のUSBマイク+モニター用ヘッドホンの組み合わせが定番です。詳しくはマイクの選び方で解説しています。
OBS Studioでゲーム音と音声を別トラックに分ける設定手順
ゲーム実況動画の編集クオリティを担保するために、OBS Studioで「ゲーム音」と「自分のマイク音声」を別々の音声トラックとして録画する設定を必ず行います。
設定手順
- OBSの「音声ミキサー」ドック内にある歯車アイコン(またはミキサー上で右クリック)をクリックし、「オーディオの詳細プロパティ」を開きます。
- 一覧画面の右側にある「トラック」列を確認し、
- デスクトップ音声(ゲーム音):トラック「1」と「2」にチェックを入れる。
- マイク音声:トラック「1」と「3」にチェックを入れる。
- 上部メニューの「ファイル」→「設定」→「出力」を開き、「出力モード」を「詳細」に変更します。
- 「録画」タブを選択し、「音声トラック」欄の「1」「2」「3」の3箇所にチェックを入れて「適用」を押します。
※この設定により、トラック1には全体のミックス音、トラック2にはゲーム音のみ、トラック3にはマイク音声のみが記録されます。編集ソフトで読み込んだ際に、ゲーム音を小さくして自分の声だけを大きくする調整や、声にだけノイズ除去をかける作業が可能になります。
音量メーターの適正目安
- ゲーム音:通常プレイ時にメーターが黄色の中央(-20dB〜-15dB付近)に収まるよう調整。
- マイク音:普通に喋った時に黄色の上部(-10dB〜-6dB付近)に届くよう調整。
音が大きすぎて赤色の「0dB」に達してメーターが振り切れると「音割れ(クリップ)」が発生し、録音後の編集では修復できません。
音声モニターの設定
「オーディオの詳細プロパティ」でマイクの「音声モニタリング」を「モニターのみ(出力はミュート)」または環境に合わせて設定し、ヘッドホンを装着して自分の声の遅延や雑音の有無をテスト録音で必ず確認してください。
最初の1本は「60点で出す」
OBSの録画設定は、最初は「1080p・30fps・自動ビットレート」で十分。画質を追い込むのは再生されるようになってからで大丈夫です。編集も、無音カットと簡単なテロップだけで1本出してみる。投稿して初めて分かる改善点(音量バランス、話すテンポ)が、次の動画の質を上げます。
最初の10本で、実際につまずく場所
動画投稿を始めて最初の10本は、誰しもが想定外のトラブルや編集の壁に直面します。私が当サイトの運営や動画制作の初期に実際に経験したつまずきと、その解決手順を時系列で共有します。
- 1〜3本目:音量バランスの崩れと不自然な沈黙
録画時にゲーム音を大きくしすぎて自分の声が聞き取れなかったり、ゲームの操作に集中して数分間まったく喋らない「無音区間」が発生しました。
→ 対策:OBSの別トラック録画を導入して編集時に声の音量を個別に引き上げるとともに、編集時に無言区間をジャンプカットで徹底的に間引く編集ルールを確立しました。
- 4〜6本目:動画尺が長すぎて編集が終わらない
2〜3時間のプレイ映像をすべて1本の動画にまとめようとした結果、編集に何日もかかり作業が停滞しました。
→ 対策:収録前に「ボスを1体倒すまで」「特定のミッションをクリアするまで」と1本の目標を明確に決め、収録時間自体を30分以内に制限する運用に変更しました。
- 7〜10本目:サムネイルと本編内容のズレ
編集が終わってから適当に場面を切り抜いてサムネイルを作ったため、視聴者に動画の見どころが伝わらず再生数が伸び悩みました。
→ 対策:動画を撮り終えてから考えるのではなく、「どんなサムネイルとタイトルにするか」を先に決めてから収録・編集を行う逆算思考に切り替えました。
最初の10本は完成度を競うのではなく、制作上の不具合を洗い出し、1本ごとに1つずつ改善していくための練習期間と捉えてください。
著作権とガイドラインの確認を忘れずに
ゲーム実況は各ゲーム会社の「配信ガイドライン」の範囲内で行うのが大前提です。任天堂・カプコンなど大手は個人向けガイドラインを公開しています。収益化の条件やネタバレ制限(発売直後のストーリー部分など)は必ず投稿前に確認しましょう。
各ゲーム会社のガイドライン比較と著作権の確認
ゲーム実況動画の投稿や生配信を行う際は、各ゲーム会社が定めている公式ガイドラインの遵守が必須です(※2026年8月確認)。主要各社の基本方針を以下に整理します。
任天堂
「ネットワークサービスにおける任天堂の著作物の利用に関するガイドライン」(https://www.nintendo.co.jp/networkservice_guideline/ja/index.html)において、個人がYouTube等の指定プラットフォームが提供する収益化機能を利用してプレイ動画を投稿・配信することを認めています。ただし、発売前のプレイ動画や違法に入手されたソフトの動画、公序良俗に反する利用は厳格に禁止されています。
カプコン
「カプコン動画ガイドライン」(https://www.capcom-games.com/ja-jp/video-policy/)にて、個人向けにYouTube等の公式収益化プログラムの利用を許諾しています。タイトルごとにネタバレ禁止区間や、ストーリーの核心に関する配慮義務が個別に定められています。
スクウェア・エニックス
タイトルごとに個別の動画・生配信ガイドライン(サポートセンターの案内:https://support.jp.square-enix.com/rule.php?id=2620&la=0&tag=transmission 2026年8月確認/各作品の公式ページにも個別のガイドラインがあります)が策定されています。作品ごとに配信可能区間、著作権表記の記載義務、商用利用の可否が異なるため、プレイする作品ごとの特設ガイドライン確認が必須です。
コナミ
全社共通のガイドラインは公開されておらず、タイトルごとに動画投稿ガイドラインが用意されています。公式サポート「著作物の利用について教えてください」(https://ja-support1.konami.com/hc/ja/articles/900004804586 2026年8月確認)では、ガイドラインが用意されているシリーズが列挙されており、それ以外のタイトルについては個別の問い合わせに応じていない旨が記載されています。プレイするタイトルの公式サイトに専用のガイドラインがあるかを先に確認してください。
ガイドラインは各社の判断で随時改定されます。過去のルールを鵜呑みにせず、動画を収録・投稿する直前に必ず各社の最新公式ページを確認してください。
まとめ
PCゲームならマイクだけ、家庭用機ならキャプチャーボードを足す。音声バランスを整えて、60点で1本目を出す。この最短ルートで始めて、機材のグレードアップは伸びてからで十分です。